アキバの路上に大量の軍手(アキバblog)

http://www.akibablog.net/archives/2006/01/post_264.html

道に落ちているトランクスや何やというのは夢があるが、ぶっちゃけコインランドリー帰りに篭から落下したものである。が、この軍手は量から推測しても、コインランドリー帰りとは考えにくい。では何だろう。

写真上のをざっと数えて20個ちょいある。手袋で作る人形(こんなやつ)の、もっとすごいバージョンが、魔法・魔術めいたものと相まって完成し、アキバの街を闊歩していたのが、時間切れとか効果切れでBOMB!っと元の軍手に戻ったと考えるのが最も自然だろう。

ドールは金髪&色白の美少女なのだが、なにしろ元が軍手なので、軍人言葉で喋る。いわゆる素直クールってやつ? お目当てのフィギュアが売り切れでしょんぼり路地を歩いていたボクに、後ろから声がかけられる。

「おい、お前!」

え? 誰もいない。ああ、いよいよ幻聴が(しかも桑谷夏子ヴォイス)・・・。

「おい! ここだ! ここ!」

げげ! ああ、ついに幻覚まで・・・。

「馬鹿者! 何を独りでぶつぶつ言っている!」

ポカポカポカポカポカポカ☆(鉄拳制裁×6=「ろくぶて」)

あいてててててて。

「私のことはただ『軍曹』と呼ぶがいい。お前にこの陣地を案内させてやろう」

みたいなとこから奇妙なデートが始まるよね。基本、上官として接してくるから、ちょっと無礼なこと(「中はどうなって・・・」みたいなね。しょうがないよね、オトコだもんね!)をすると・・・

「ポカポカポカポカポカポカ☆」

ですわ。これ基本ですわ。30分番組換算で5回はありますわ。で、周囲から後ろ指さされ、観光客に写メられながらも「だっこ」した状態でしばらく案内していると、

「そろそろ腹が減ったな。よし、食事にしよう。上官自ら料理してやるのだ、ありがたいと思え」

みたいなことを言ったと思うと、やにわに鳩を襲撃し始めるドール! 鳩は豆鉄砲を喰らったような顔。ぎえ〜、やめて、やめてよ軍曹! これは平和の象徴だよ〜。

「へいわ? なんだそれは。美味いのか?」

軍曹ってば意外と食いしん坊キャラ?? 先が思いやられるよう(泣)

(中略)

・・・そうか、じゃあ軍曹を作った奴らは、軍曹みたいな改造軍手軍人の大量生産によってアキバ乗っ取りをたくらむ極悪電波集団だったんだ!

「わ、わたしは・・・! 放せ! 自決する! せめて軍人として美しく死なせてくれ!」

軍曹! だめだよ軍曹! ぐんそ・・・ぐんこちゃん!!

「な、なんだその名は・・・!」

軍曹、量産型だから、名前がないんだろ。だから今ボクがつけてあげたんだ。

「ぐん・・・それがわたしの名か?」

ひや…!(ポカポカがくるっ)

「お前、なかなかの名付け上手ではないか。見直した。感謝するぞ」

へ? い、いやあ・・・(照)。

(激しく中略)

「お前は、わたしの、優秀な・・・ぶか・・・・・・だ」

ぐんこちゃぁ〜ん!!!!

***

**

で、ああなったと。

(エピローグ)

コインランドリーからの帰り道。アスファルトに軍手が一足落ちているのを見て、ふとぐんこちゃんのことを思い出した。あれからもう1ヶ月になる。今日みたいに寒い日だったな。って、やめよう。ぐんこちゃんはもう・・・

「また独り言か? 作戦遂行上好ましくない。ただちに直せ」

洗濯カゴの中にぽつりと座っているのは、紛れもない、ぐんこちゃんだ。

ええっ? ぐんこちゃん、なんでここに?

「おそらく、処分したはずの《例のアレ》が、お前の衣服に紛れ込んででもいたのだろう。それが洗濯の際に繊維と混ざり合って・・・わたしにもよく分からん」

あ、そういえばあのとき《例のアレ》がぼくのジーパンに! でも、量産型じゃなくて、心と記憶を持ったぐんこちゃんができあがったのは・・・?

「それはきっと、愛だな」

あ、あいですか・・・(照)。

「そうだ。愛だ」

・・・ジーパンやTシャツはぐんこちゃんに組み込まれちゃったけど、また買えばいいや。どうせユニクロだ。ぐんこちゃん、新しい迷彩服、似合ってるよ。

(完)