繰頁秘技

読まなければいけないマンガが数冊ある。読まない内に、今日『げんしけん』の最新6巻が発売である。読まなくてもいいけど買ったんだから早く読みたいマンガ(さっき読んだハチクロなんかは実はそこに属したのだが)もたくさんあって、アニメもあるし、

あ、今日『いちご100%』最終回だったんだよね、あれ。あれで終わり?? 続きはDVD?

体がいくつあっても足りないのだが、体がいくつあったところで、困難というのは常に我々につきまとうものである。

漫画とは、私にとって、その作品の最たる公式グッズである。カバーは外して読むが、とはいえ表紙やページにも無駄な油分など付けたくない。読む用+保存用と二冊ずつ買うことができればいいのだが、経済的な事情からそういうわけにもいかない。さらに保存用だってできれば汚したくないというのも人情。

そんな苦難も絶頂なのがこの季節。四六時中クーラーを付けているわけにはいかず、上半身裸で過ごすわけで、なんか汗でべたべたする上にじとじとして、ちょいと肩なんか掻いたりしたら、もう「私の手は漫画を読むには汚れすぎています(My hands are too oily to read Comics.)」の状態である。

解決策として、

1.シャワーを浴びる

というのがある。あいにく我が家に風呂はないのだが、銭湯やコインシャワーという手もある。

しかし、それでは三時間は手汗が出続け、今度は「too wet」の状態である。収まった頃にはもう寝る時間、起きたら汗でベタついた体、というバッドループである。そこで、

2.ペーパー洗顔的なもの

という選択肢がある。コンビニに250円で売られている「ギャッツビー フェイシャルペーパー C」などを使って、顔から手、上半身をぬぐい、さっぱり禊いで漫画に取りかかるのである。

しかし人間の体をナメてはいけない。拭っても拭っても、皮脂は後から湧いてくる。まるでタマネギの皮むきである。あなたは1時間足らずで1パック18枚入りのシートをすべて使い果たした挙げ句、まだ首筋の皮脂が気になり、ゴミ箱からまだ使えそうなシートを引っ張り出すことだろう。これではまさに、潔癖乞食である。

ちなみにタマネギと言えば、タマネギを切って親子丼などを作った後も、匂い移りが気になって漫画を読むことができないという経験をお持ちだろう。台所用洗剤を丸一本使って手を洗い、手がふやけてしまって水分が抜けるまでに三時間……もうよそう。一人暮らしで漫画を読むことがこれほど困難であるかと、実家生活の皆さんは驚かれているに違いない。

私は今、何も愚痴を言うためにつらつら書き連ねてきたわけではない。すべてを解決する秘策を編み出したのである。用意するモノは一つ、

1.制汗スプレー

これだけである。これを、漫画を読む前、読んでいる最中に、手のひらに吹きかけるだけで、上記のすべての問題を解決できる。

(※あとは若干のツッコミどころを残したまとめ)