花粉対策

酷い小説を載せておいて(下の方参照)人の小説の文句言うのもアレなのだが、新潮文庫になっていたので舞城王太郎阿修羅ガール』を読んだ。前に読んだ『煙か土か食い物』において、作者は私を、その童貞さ加減において大いに驚かせたわけだが、もう、それがあるからさ、無理だよね。『電波男』をひくまでもなく、あんなに童貞なデビュー作を書いた作者の5年童貞率は85%を優に超えてくると思われるわけで。

大部分が女子高生の一人語りなんだけど、

「お兄ちゃんは意外と料理がうまい」

とか言われだけでもう、ね。もちろん、「お兄ちゃんは意外と料理がうまい」(うろ覚え)よりももっと、くる部分があるよ。

童貞やニートが、「まだ社会的に男ではない」という武器を用いて女性とシンクロナイズドするあれ、あれを大振りして作品を築き上げている舞城王太郎。『煙か土か〜』同様、気になるのが、「これを計算ずくでやっていたとして、誰が喜ぶのか」ということである。あれじゃないといやな人が、あれ以外のがもういやな人が、いるんだろうか。強いてすり寄せるなら「ごっこ感」? その感が気持ちいいの?

でも何個か、ドストエフスキーが言ってないようなこと言ってたよ。三島賞は別にいいんじゃない。でも、とりあえず同じ時間を割くなら、私はドストエフスキーを選ぶ。読んだことないから。舞城幻想は崩れ去ったけど、ドストエフスキー幻想は生きているのである。

『ホネツギマン』を見た。つまんないなぁと思って気を抜いていると、急に笑わされる。これ、有名じゃない人とコーエン兄弟の弟の共同脚本なんだけど、たぶん、笑わされる部分がコーエンの方のアイディアなんだと思う。十中八九。アルバトロス配給の映画って、構えてもあれだし、期待しすぎてもあれだし。ね。最新作は『チアガール忍者』だって? 動画ファイルナビゲーターで見たけど。

花粉が収まり、遅咲きながら春を謳歌しております。多摩や八王子ナンバーの車両(働きバチ)が23区内に花粉を運んできてたわけだから、首都高とかで特別料金を取ればいいよね。その金を花粉対策に充てればいいよ、石原都知事