三分勝負

エースコックの「スーパーカップ」というお馴染みの1.5倍サイズカップ麺で今、PSPが当たるキャンペーンをやっている。基本的には買えば買うほど当選の確率が高くなるシステムで、24800円分のスーパーカップを買えば、たぶん当選するのだが、それはtotoを全組み合わせ買うのと同じで、夢にとどめておきたいじゃん。

そういうわけで最近毎日カップ麺なのだが、経験上、カップ麺は「沸騰したお湯」を規定の線まで注ぎ、「フタをして」から、規定の時間待つ、のが一番おいしい。開発段階で計算され尽くしているのだから、これは信じてしまっていい。

しかし、きっちり何分、スーパーカップの場合は3分、というのは、なかなか諳で分かるものではない。時計を見て23:35、じゃあ台所から来て歩いた時間があるから、ちょくちょく時計見て23:37になってたら食おう、と思っていても、目を離したその瞬間に23:35ちょっと気を抜けばもう23:39だったりするのである。まったく困ったものである。

私の住んでいるアパート(1K・6畳)の冷蔵庫には小型のキッチンタイマーを備え付けてある。同時に5つの時間を計ることができる手のひらサイズの優れモノで、セゾンカードのポイントで交換した。店で買えば1280円とかそのくらいしそうである。パスタをゆでるとき、味の素の冷凍餃子を焼くとき、自炊をするときは八面六臂の活躍を見せるのだが、しかし、ただ、カップ麺とだけは相性が悪いのである。まったくもう。

カップ焼きそばの時はいい。お湯を入れる前に3分でセットし、スタートボタンを押してからお湯を注ぎ、部屋でインターネットでもしながら、台所でピ、ピ、と鳴ったら歩いていき、すぐにお湯を捨てればよい。「押してから」の時間と、「鳴ってから」の時間がイコールで結ばれ、ジャストタイミングで大盛りいか焼きそばなりUFOなりを食すことができるという算段。

しかしカップ麺というやつは、お湯を注いだらもうキッチンにある必要がないわけで、そのまま部屋に持っていく。持っていって、座り、落ち着くタイミングで、時計を見たら23:35、となるわけである。正確を期すために台所に残して一人部屋でピ、ピ、を待つ、その労を惜しむわけではない。カップ焼きそばの場合はお湯を捨ててしまった後なのでカウントされない、「台所から部屋までの復路」分が、オーバータイムとなってしまうのである。またそんなときに限って、割り箸を袋から出していなかったりするもので、そうなるともう、台無しである。

というわけでカップ麺における「3分の壁」というのは私にとって鬼門なのであるが、さっき、ふとしたことから、

「お湯を注いだら、タイマーを、カップ麺と一緒に、部屋へ持っていけばいいではないか」と思いついた。まさにコロンブスの卵的発想。コペルニクス的サイドチェンジである。ナイスアイディア・イン・マイ・ブレイン。サンキューマイブレイン。

いや、こんなのとに気づくのは、メイドさんの仕業に違いないのであって、私の中にいた、メイドさんが、「あ、あの〜ですね〜、その〜、た、タイマーの方を、お食事とご一緒に、お部屋の方へお運びしてはいかがかと・・・」と、その後すぐにメイド長が「先ほどはウチの新入りが出過ぎたことを申しまして」と謝りに来たということなのだと考えるのが、自然である。

サンキュー・メイド・イン・マイ・ブレイン。