フミヤング
セカチューを読む。
セカチューと言っても大ベストセラー、片山恭一『世界の中心で、愛をさけぶ』ではなく、ハーラン・エリスン『世界の中心で愛を叫んだけもの』。
初めてエリスン版セカチューを目に留めたのは十年までは少し届かない昔、当時の広島市在住アニメファンにとっての爆心地・サンモールの7階とかそのくらいの「中央書店」だった(今はアニメイトがあるらしい)。そこで、フィルムブックや高校生には充分刺激的だった『エヴァンゲリオン研究序説』で名前だけは知っていたセカチューが、20冊ほど平積みされていた。学ランのポケットには昼休憩のポーカーで勝ったり負けたりして残った500円しかなく、広末涼子の出ている雑誌をすべて買わなければならなかったので諦めた。ハヤカワ文庫というのにも、当時アレルギー反応を示していた(これはファイト・クラブを読むまで続いた)。
なぜアニメのメッカに、しかも平積みされていたのか。それを、みんな覚えていないのだろうかと思う。忘れてしまったのかと。お前らもう補完されてぐちゃぐちゃかと。人類補完計画は秘密裏に遂行されてたのかと。
第弐拾六話「世界の中心でアイを叫んだけもの」。
僕は『世界の中心で、愛をさけぶ』に対しては反感を持っているのだが、その中身はというと別に「純愛とは」とかはどうでもよくて、エヴァへの敬意が一切払われていないことに対する叫び、純度百パーセントなのである。
書店員レベルで考えてみると、エリスン版セカチューに感銘を受けた人が、片山セカチューの隣に並べることはできないと思う。売れはすると思うが、良心が許さないのだろう。ビレバンなら別に許されると思うのだが、そう思って買いに行った下北沢店にも置いてなかった。
エリスンセカチューの2004年6月30日 11刷と奥付にある最新版では、帯に「元祖」と印刷してある。「元祖」。二文字。囲み線。それ以外には何も書かれていない。これぞセカチューな「アイ」の叫びだと思う。ハヤカワさん自身が叫んでしまうってことは、こっち向きのいろんなものも飛んでくるってことで、二文字を守る囲み線はまさしく、A.T.フィールドである。
とにもかくにも表題作だけ読み終えたけど、よく解んなかった。(間抜けなSE)
SFが「ある」こと前提になってるから、勉強しなきゃ読めない。でもSFは「ある」と思うので、勉強してでも読みたい感じではある。秋の新番組ラッシュがその時間をくれるかどうか。
見忘れないように注目しているのは『魔法少女リリカルなのは』。
舞-HiME、スクラン、げんしけん&くじアン、フタコイは言うに及ばず。サムライガン、ビューティフルジョーなんかも面白そう。
初回は全部見るんだけどどうせ。
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朝、『マリア様がみてる〜春〜』最終回を正座して見る。詳細はいつかどこかで。
夕方、テレ東を見ていたら藤井フミヤが80年代カルチャーを語っていた。身長のことを棚に上げて。
チャリで渋谷へ。何とかファイブを見に行こうと思ったけどヒルズだったのとヤフーの評価がまだ定まってないのとでとりあえず保留しておき、たぶん安全牌の『茶の味』を観る。シネマライズは日曜の最終回は千円で観れるのだと、『ブラウンバニー』の時思い知らされたから。ちなみにパルコの上のとこは平日の初回が千円。これは『MIND GAME』で思い知らされた。
茶の味百点。映画の中から出たくないと思った。ビデオでクロサワ映画なんかを見ていて、出なくてもいいなと思うことがよくあるが、今回ばかりは出たくなかった。
業務連絡。僕の友達でまだ観てない方でこれを読んでいる方は『茶の味』の面白さを語り合いたいので至急観て、連絡ください。あとTシャツ買ったというかたは色を教えてください。カブるとやなので。
ブラザーベア、イノセンス、キルビル2、マインドゲーム、茶の味。今年映画館で観た映画、全部アニメか、アニメが挿ってる(キルビルは、2は入ってないか)・・・。もっとこう、オシャレなの見に行かなきゃ、オタクだと思われる! とりあえず予定としてはハウルの動く城と、恋の門と、雲のむこう、約束の場所 と・・・・