ポジティブダイビング

窪塚洋介、マンションの9階からダイブ。テンプレートな言い回しだが、波紋が拡がっている。また非常にテンプレートな行動に出たことになるクスリ説は、部屋に家族がいたというので、ないと思う。自殺説の方がまだありうる。思考する足の速さがあるから。

僕は窪塚洋介が嫌いではなくて、いつも友人などと彼について話す際は、尊重した上でバカにする。パフォーマーとして、どんどん狭められながらも自分なりの足場を保っているというのが尊重に値すると思っている。

先日、石井一久室井佑月を例に出して、人生観が変わるような本を読んだ直後の状態が常に続いているようなバカさだと言及したが、クボヅカもその類いだと思う。しかも彼は自分で「俺も本とか読む前はそう思ってたんだけど」みたいな発言を平気でする。そりゃイタい。でも嫌みではないと、僕は思ってしまう。作家がそれでは絶対に困るので室井は許せない。石井一久の場合は、彼の見つけた「答え」が常に正解として扱われる環境で育ってきて、今もそうであるという状況に腹が立つ。窪塚洋介は役者だ。瞬発的に思考することに対して、あるいは思考が常に瞬発的であることに対して恥じる、恥であると認識する必要はない。バカでいいのである。

その思考の足の速さゆえ、ちょうど『GO』の冒頭、バスケシーンのように踵を返し、空に向かって飛び出すという行動に出ても、それほど不自然ではないと思うわけである。

窪塚洋介のいち早い回復と復帰を願う次第だ。