プリティリーグ

阿部和重インディヴィジュアル・プロジェクション』を読む。若書きという先入観があったが、描かれているのは無視できない現実で、書く人としての態度も共感できて、面白かった。そもそも若書きの作家が嫌いなわけではないし。30ページに1つ、気を抜いていると見逃してしまいそうなほど静かに仕掛けられた阿部和重の笑いは、合コンでモテない種類のものだ。いわゆるツッコミの余地が限りなく狭い。ダヴィンチとかの読者にはモテるんだろうか、ああいうの。

花右京メイド隊』をビデオで。ソフトボール大会の話。もしどこかの路地で山高帽をかぶった紳士から「メイドは何人くらい欲しいですか?」と訊ねられたら、照れながらも「そ、ソフトボールチームができるくらい」と声高に答える僕なので、メイド隊のソフトボール大会はドストライク。沸点はシンシアが実はグレースで、計算とかして、「バントを」決めたとこ! ワンピースの野球ゲームがGBAで出たが、これ単独で出してもいいほどだ。ちなみにヤシマちゃんが好きです。皆様はマリエルさんなのでしょうか。

夜、自転車で新宿へ。ダーツ大会に参加。自分の実力なら優勝も狙えるクラスにエントリーしたのだが、まず緊張し、時に冷酷になりきれず、時に相手を甘く見すぎて遊んでしまい、時に自分のミスに動揺したりで、惜しくも優勝を逃す。まるでケロロ軍曹だ。

大きな道路の脇で明け方まで真剣な話。明るんできたころラーメン屋に入る、途中、猫の頭ほどの大きさのネズミが目に留まる。気にし始めるとネズミはそこら中にウゴウゴ。ある集団などはティファニーの前で堂々朝食をとっていた。深夜から明け方にかけての新宿では毎日、ネズミ、ホームレス、カラスによる三文オペラが繰り広げられているのだ。ブレヒトのそれとは違い、彼らの中心にあってそれぞれを操るのはカネでなく、生ゴミである。