フィニッシュムーヴ

イラクの集団がアメリカの民間人の首を生きたまま切り落とすというニュースを見た直後、その映像がネットで簡単に手に入ったので見てみる。

長々と報復宣言のようなものを読み上げ、数分後俄に奇声が飛び交い、あっという間に首が切り取られ、掲げられた。

冗談みたいな映像に苦笑。B級ホラー映画のよう、なのではなく、現実(として少なくとも示されているもの)のB級さ加減が可笑しくて。

それなりにアンチョビーのピッツァなんかは食べる気になれないけど、牛丼くらいなら。ちなみに本日のディナーは調整豆乳とスナック菓子とサプリメント。米国人だ。

返却前に『ストレンジャー・ザン・パラダイス』をもう一度見て、停止ボタンを押すと午後9時45分。テレビに映ったシチュエーションに噴き出す。「初めてやったパチンコで大当たりを出した市原悦子」。ずるい。

ビデオを返しに自転車で。狭い十字路で「茄子」的な格好の自転車とぶつかりそうになり、後ブレーキをかけ止まる。間一髪。二人のサイクリストの間に、「危なかったな。でもやるじゃねーか」「お前こそ、大丈夫だったか」みたいな、頭文字D的連帯感が流れる。

無言でそれぞれの道へ走り出す、その瞬間、茄子が早口で言った。

「危ねぇだろ、何考えてんだオメー!」

えっ? と、初めて男の子のおちんちんを見たときの少女のような目で見返すが、そのまま茄子は走り去った。

もう、どっちでもいいのである。彼らに、そして若干我々にとって、空気や感情と言動が一致している必要はない。『ストレンジャー・ザン・パラダイス』のラストを思い出した。どういう結末でもよかったんだろうなぁあれ。