マイノリティリポート

朝一で『フロム・ダスク・ティル・ドーン』を見る。たまげた!! 一緒に借りたのがジョン・カーペンターだったのだが、両方見たことある人には「こういうの好きな人」だと思われる。好きなんだけど、実際。サクラ大戦に出会う前は、ゲームといえば『モータルコンバット』(ゲームの方)しかやったことなかったんだから。あと『超ウルトラ野球』。

池袋シネマサンシャインにて『キル・ビル vol.2』。1であれだけやってるんだから、2は静かにまろやかになるのは当たり前だと思っていたので、充分満足。笑う必要もない。と思っていたらある章で吹き出した! 犯人はアイツ。「2」の笑いは全部アイツが持ってくぜ!!

普段はネタバレとか気にしないのだが、前情報のせいで30分くらい損したと痛感したのと、キルビルつまんないという人が思ってる人数の倍いるので、少しでも邪魔をしないように、おとなしめに。

客観的に見れば見るほど、千葉真一タランティーノに面倒くさがられてると思う。

友人と合流、三時間歩き回った揚げ句デパ地下でカレーを食い、いざ『Deep Love 〜アユの物語〜』映画版! 場所は同じくシネマサンシャイン

会場はまさかの超満員! 女子高生が三分の一、少し上の女性が四分の一、その他、という感じ。最前列しか空いておらず、左側へ陣取る。

予告編もなしにオープニング。笑うところでも何でもないタイトルバックから、友人と二人で来た余裕からか、笑い声を漏らしてしまう。すると呼び水になったかのようなざわめき。あ、皆目的は一緒かと一安心。

ぺら、

ぺら、

ぺら、

ぺら、

ぺらぺらの映画は進む。時折流し切れないところでは笑いが噴出。登場人物全員ツッコミ所は満載で、全てに反応していたら警備員の出動は免れないのだが、特にオススメなのは学校とバイト双方でのイジメシーンの軽さ、おばあちゃん全般(ロケは圧巻!)、公園で義之の読む尻切れトンボの舞う大空ポエムの青さ。

友情出演の黒田アーサーは、素人原作の素人脚本の素人演出に文句一つ言わず(たぶん)役をコナしていて、これぞプロの仕事なのではないかと、邪推。逆にレイナのお母さんなんて、演出への反発があからさまな演技でイヤ。アユ役の子(そこそこかわいい)は、原作のセックスシーンで「ピンク」にこだわる辺りで童貞感を漂わせるYoshi監督に惚れられてしまったのか、「自分なりに」しか道がなかったような演技で健闘。

Yoshi監督(原作・脚本)は大人にバカにされていて、子供とどう接してよいか分からないかわいそうな大人である。どうひいき目に見ても。義之のオヤジの最後のセリフは、そんな中でも子供たちに届けたい、作家・Yoshiの魂の言葉である。聞き届けるべし。ぺらぺらのナレーション的意見(でもこれオススメ。映画にも出てくる!)に惑わされるな!!

んなことを考えながら、見ていて、途中、随所に、奇跡が起こる。会場から、鼻をすする音が聞こえるのである。おばあちゃんの死、かなり面白度の高い場面で、僕はクスリとしたのだが、そこで、あるいはエイズにかかっても頑張って援交するアユの姿で、そしてぺらぺら漫画を速く繰りすぎて「ベリ。」となったようなラストへ向かうクライマックスシーンでは、嗚咽すら聞こえる。思わず天井を見上げたが、特に怪しい光その他は確認できず。あ、あ・・・

アー、ウィー、マイノリティー

そそくさと逃げ出す。パンフは売店の閉店(やる気なっ!)により購入できず無念。終演後デカデカと示された「この映画を援助交際エイズにかかった女子高生に捧げます」という一行の意味は、もう勝手にカイシャクしてください!!