ヤングアダルト

ビレバンには何でもある。しかし・・・

約4年に一度のおまけの日はくしくも休日。昼に起きてブルボンの「ホワイロトリータ」でモーニングティー。『ガッテン』で美味しい紅茶のいれ方を見てから紅茶にハマっているのだ。

包み紙をよく見ると、ホワイトロリータのロリータは、例のLollitaではなくてRollta。調べると、これも女の子の名前らしい。どこの国の言葉だろうか。ヘンリエッタと似ているので、イタリアだろうか。だとしたら「ブルボン」は仏語、「ホワイト」は英語、「ロリータ」は伊語でしかも売っているのは日本と、『明日のナージャ』あるいは三ツ目のロンパリみたいなことに。

村上龍の『だいじょうぶマイ・フレンド』に、森永ビスケット「チョイス」を主食としている敵役が出てきたが、僕はあと20年ほどして前立腺が肥大し切ったら、ホワイトロリータを主食にして余生を潰そうと思っている。

鋼の錬金術師』を見直す。3週間で60pしか読み進めていないセリーヌ『夜の果てへの旅』(一般的な『夜の果ての旅』を新訳に合わせて改題したそう)の冒頭、主人公が戦争の中を漂う荒涼とした感じは、ハガネに似ている。

昨日気になってビデオに録っておいた『ビートたけしのこんなはずでは』がアタリ。初めて見たが面白かった。CMカットできるというのもいい。

『ワンピース』を見て『ジャンクスポーツ』。これも初見。テーマは「スタート」。スタートといえば、ウサギとカメの話。ウサギの敗北はスタートで、カメの勝利は、すべてのゴール。何のためにスタートするのかということ、それが一番大事。

ヴィレッジバンガード(通称「ビレバン」)下北沢店へ。ビレバンには何でもある。ただ、ユーモアだけはどの棚を探しても見つからない。

大友克洋『さよならにっぽん』、手塚治虫『人間ども集まれ! 完全版』購入。マンガを買い慣れていないせいか、このボリューム(2キロくらい)で合わせて2200円というのはお買い得だと。

ひとまず置いておき、木村航ぺとぺとさん』を半分ほど読む。ジャケでもう通行手形を発行した形なのだが、読んでみるとそれ以上の味が。

「ウチ、エロエロ妖怪やねん。」

100点! 祖先の「べとべとさん」(僕はいまだに夜道を歩いていて怖くなると、心の中で「べとべとさんお先へおこし」と唱えている)をストーカー扱いする斬新さで、妖怪と人間の共存する田舎町の中学校に、ほわほわぷにぷにの世界を構築。クラスメイトも個性的で、平成の『うる星やつら』になる可能性アリだ。

作中の「エロ」は頗る健全で、清潔感すら覚える。ただ、「妹」の下りに関しては、恐怖を覚える。少し昔には確実に存在した「ロリータ雑誌」は今影を潜めているが、目を凝らすとほとんど同形態で「妹」雑誌として存続している(ちなみに「清純系」は「中学生」とほぼ同義)。社会常識がいつしか権力となり、まあ単純に思想弾圧と言っていい制限あるいは自主規制の押し付けを受けての苦肉の策として「妹」は誕生したのだろう。

妹率100%という「ぺとぺとさん」の村で行われる「妹」コンテストに対して「年齢制限がないというのが、マニア狙い」だと作者レベルでは生きてはいるが、これを、たとえば健全なエロを享受する年齢の、例えば高校生が読んだとしたら、彼は「妹」への態度を仮想して初めて自身の少女への性愛を認めらされることになる。芸術という名の元に弾圧を回避し、彼らの傘になってきたロリータやアリスの劣勢コピーが、一部青少年の心を侵食してゆく現状は、やはり恐怖としか言いようがない。

「情欲に童貞があるように、恐怖にも童貞があるもんだ」(『夜の果てへの旅』より)

『華氏四五一』ではないが、禁じられたからといって、例えば「じゃあ、割りばし。割りばしって言ったらソノことね」と催眠術をかけて自足することは、想像力の行使とは言えない。実際にその手の犯罪を起こす人間というのは、恐怖の、そして想像力の童貞ではなかろうか。

・・・こんなことに考えをめぐらせてる時点で既に、ぺとぺとさんの「術中にはまってる」のかもしれないが。おあとがよろしいようで。