虚実断絶

マジスパ知ってる? マジックスパイス。シモキタの外れにあるんだけどさ、店の壁全部が真っ赤に塗られた、スープカレーの店ね。家近いから3度ほど行ったことあるんだけど最近はだめだね、人が多くて。しかも札幌ルールなのか、月火とかが定休なんだよね。店のコンセプトも、ちょっとイタいんだよね、美味しいんだけど。

その店先で待ち合わせしていて、座ってメールなどしていた。自動ドアのすぐ外側にブタのあれが置いてあって、

よつばと!

これは検索用に書いてみただけだから気にしないでね。知ってる? ドラマ化と称してキャストを連ねたアレがネット上に、って話。それをね、調べようと思って。ぜってーウソだよ。よつばちゃんが実写になったら俺オタクやめるよ! えーどでー(ええとね)。えだたんはでー(恵那ちゃんはね)、えーどでー(ええとね)、べでぃーずごーぼーどでー(Berryz工房のね)・・・・

実写と言えば、いや、別に全然、実写と言えばの話でもないんだけど、宮崎あおいって今日本一キレイだよねー。昔アップトゥボーイで連載してたときのイメージでは、ひどく性格悪いけど。でも全部のツンデレこなせるよ。ナナなんかやってないで、こっちこいよ! 関係ないけど、カンヌのあれ見てる限り、浅野忠信と最低一回はやっ・・、ただならぬ関係だよね。

ごめん、マジスパの話が途中だった。

マジスパの前で待ち合わせしていると、店内から男二人連れ、完全にシモキタの若者、が出てきて、自動ドアから店外に出た瞬間、一人が「あ、夏の匂いがするなーもう」と言った。その後「っすよねー」「ぜってー」みたいな内容のことを話しながら私の前を通り過ぎる時、同じ一人が「蚊取り線香つけようかな俺」と言い、キャラマトリックスボキャブラのあれ)の「バカピュア」と「バカベタ」のどちらなのか迷っていた私は、店の前にブタのあれが置いてあったのを思い出し、近づいて嗅いでみた。おそらく、無香性の蚊取り線香が、ブタの口からぽわぁっとはき出されていた。若者が感じ取った「夏の匂い」の正体はこれであり、そのまま無意識に「蚊取り線香」に結びついたのである。若者に、足下のブタは、見えていなかったのだろう。

はい、これは「バカベタ」、と決定しようとしたが、もしかすると若者(「っすよねー」の方。たぶん後輩)は、会計の時にブタを確認しており、出た瞬間、先輩に「こいつなかなかセンスある」と思わせようと、計画的に「夏の匂い」を発したのではないか。まんまと「あ、こいつバカだと思ってたけどなかなかセンスある」と思わせるのに成功した後輩は、以上のことをリセットした上、さっき見たブタのアレがカッコイイなと思い、「蚊取り線香つけようかな俺」となったのである。そうなると、キャラマトリックスに変更を加える必要がある。こんなやつらは、はい、「シネバイイ」。

東京都議選が本日告示され、土足で耳に入ってくる選挙演説が始まった。下北沢駅南口で共産党の、タゾエとかいう人の推薦者か誰のおばさんが演説していたのだが、ツカミの一声が「若者の皆さん、こんばんは!」。歩いてて吹き出しちゃった。ATフィールドだよね、ここまでくるともう。絶対一つの脳みそに語りかけてないもん。「若者の皆さん」の多くは、上で書いたようなバカで、バカじゃなかったらオタクとかニートとか引きこもりとかロリコンだけどさぁ。拡声器で演説してたけど、その3m脇で、名物お兄さんが漫画を地声で絶叫しながら朗読してたのがいい具合に共鳴してたよ。ビックリしたと思うよ、おばさんも。

三省堂で『トランスルーセント』1巻を買った。スピカが載ってる雑誌で連載してるらしい。サイン本だった。絵がまだ、1巻だから安定してないけど、いいよけっこう。透明病というのが、奇病として認識されてる現代(か少し先)の日本の話。病気としての透明人間話。ポールバーホーベンとかジョンカーペンターの逆サイ。あっちもいいけどね。ヒロインの女の子が、中2で、演劇部で、透明人間(なったりなおったり)。時々ビックリするくらい絵がくずれるのもご愛敬。とりあえず2巻も買いたいと思います。

えー小話をひとつ。オシャレオタクが二人、何やら景気の良い話をしております。

ヲタ1「ところでこないだ言ってた出会い系の、ほら3次元の彼女、その後どうなった?」
ヲタ2「それがさ、昨日二人で飯食ったんだけどさぁ…」
ヲタ1「ちょっとちょっと、トントン拍子じゃないですか、何が不満なんですか」
ヲタ2「前に会ったときより可愛くなかったんだよねー」
ヲタ1「そりゃお前、3次元の女ですよ、生理周期やなんだで、化粧のノリとか悪かったりするもんですよ」
ヲタ2「へぇ〜知らなかった、三次元にも、作画くずれってのがあるんだね」