常駐狂気

二泊延滞してDVDで『エレファント』を見た。

黄色い映画だなぁと途中、何度か思った。黄色が何かを表しているとすればそれは狂気としか考えられず、その考えはたぶん正しく、しかしその狂気は、チャールズ・ブコウスキーではないがOrdinary Madness、「ありきたりの狂気」なのだろうと思う。

特典映像で、歩く(そしてそれを背中からカメラで追う)シーンが多いのは、観客に「考えさせる」ためだと監督が言っていた。その狙い通り、考えさせられたのだろう、眼鏡の子が体育館に着いたとき、つるつるの床を見て、高校の部活を思い出した。バスケットボール。シンプルな挫折。

狂気を帯びた犯人の少年二人は、犯行に向かう。「キスしたことないんだ」「オレも」のシャワーシーンでは、笑った。

「お前は運動部の方を」で、拍手した。

その後何度か驚き、何度か笑った。映画館で見ていたとしても、笑ったところは笑ったと思う。共感。ただ共感は、犯人の一人がにわかに死ぬ場面で、拒否されたので、そのあとは、黄色い映画だなぁに戻った。そのまま映画は終わった。