文春文庫

 バイト中に宮沢章夫サーチエンジン・システムクラッシュ』を読みました。観たことないけど演劇の人だそうです。だからか小説全体が、演劇っぽかったでした。

 日じょう生かつにおいて会話が成立すること自体、そんなバカなことはないだろうと僕は本気で思います。僕が書いたしょうせつは、あとで読み返すと一つも会話が成立してなかったです。自分でわらけました。

この本で会話が成立してしまうことは、帯に「不条理」なんてふうに書かれていたけど、僕のしょうせつで会話が成立しないことと同じことだと思いました。

あと、読んでいて「こうなってるんだから仕方がない感じ」がいくつか見られて、それは演劇をたまに見ていて感じる「こうなっているんだから仕方ない感じ」と似ていて、その「感じ」は文学の「こうなってるんだから仕方がない感じ」を肘で突っついている気がしました。その点で、新鮮さを覚える小説だったと思います。あとは普通でした。

併録の「草の上のキューブ」は、あと、本当につまらなかったです。小説家・宮沢章夫は別に気にしていなくていい感じです。