マスターピース

星野智幸『目覚めよと人魚は歌う』を買って、読んだ。買ったのは先日新宿にできたジュンク堂。安かった。320円ちょい。440円でもおかしくない分厚さで、このお値段。

少年少女が読む分にはいいんだろうけど、若者からの圧倒的支持、の欠片の一票を投じるには、途中、たぶんドストエフスキーとか読むと書いてあるんじゃないかと思われる、言っても言わなくても同じことをオリジナルな言い回しで「聞かされる」場面が多くあり、0点感がつきまとった。

全くの誤読なのかもしれないが、書きたいこと、書くべきことが、ある、作家に分類されるんだと思う。ない方が読みでがあるなあ。昨日読んだ中原昌也『仔猫が読む乱暴者日記』は楽しかったなあ。

ダーツの雑誌を買って見ているうち、16000円のダーツ(矢)を購入しようと決意してしまう。懐かしい感覚。買った物よりも買わなかった物の方が記憶に残っている気がする。ベレッタM92F用木製グリップ、日の丸の入ったカンガルー革バスケットボールシューズ。ふしぎの海のナディア、メモリアルCDボックス、ラバー製の木人……。

でもこのダーツは買う。なぜなら僕は思い出を欲しているわけではないからだ。思い出より、モノ。車買えるほど金と社会的信用(免許とかカードとか)あるなら、違ってくるのか知らないけど。