ウェルメイド

マリみて春』11話。

祐巳ちゃんはほんと、菩薩だと思う。傘を盗まれてずぶぬれで家に倒れ込むシーンに涙。依存という意味で、黄薔薇革命を学習していないというのは落ち度ではなく、リアリティである。

続けて12話。実は10話「黄薔薇注意報」を録画失敗し、のたうち回ったのであるが、何があったのか、11話以降の由乃さんに変化が見られる。原作も未読で、どこがとははっきり判らないが、明らかに彼女は成長している。二年生の島津由乃なのである。

祐巳ちゃんが二年松組の教室で由乃さんに謝罪する場面。ウェストアップのツーショット。言いえぬ感興が沸き起こり、ほとんど啓示という形で「これからは由乃さんを、五度に一度は「ちゃん」付けしよう」と決意、した瞬間、由乃さんが「祐巳っ!」と叫んで抱きついた。忘れられないワンシーンになるだろう。ありがとう。ピース。

午後、アニメ会(http://www.anime-kai.com/)プライベートイベント・秋葉原メイド喫茶巡礼に参加。

一軒目がヒット、いや、ホームラン。広島カープ・緒方ばりの先頭打者ホームラン。満喫するが、一時間で「イベントのため」一旦閉店という。残念。ちなみに何のイベントなんですかと、長い黒髪が麗しいメイドさんに聞いてみると、「マリみての・・・」。

「おかえりなさいませ」、小笠原祥子さま自ら出迎えてくれたのは、それから二時間後の出来事である。

由乃、ちゃん、も100点の佇まいで迎えてくれた。先代ロサ・フェティダ令ちゃんを含めた黄薔薇スリーショットが華氏556(心が萌え上がる温度)だった。

厨房方向を眺めながら、もし山百合会がシンデレラでなく、喫茶店をすることになっていたら、こんな光景だったのだろうと夢想。

もちろん、それは蓉子さまの発案だろう。祥子さま、面白そうだからと江利子さま、令さま、由乃さんと芋づる式に賛成多数で決定。

問題は、祐巳ちゃんがいかにして祥子さまと出会うのかということになる。たぶん、

江利子さまが「どうせやるなら、コスプレ喫茶はどう?」とご提案。メイドの格好をさせられることになった祥子さまは猛反対。「妹もいないのに、発言権」うんぬんとなるのだ。マネージャーとして花寺の生徒会長を、と。

本当に夢のようなひととき(ふたとき)でございました。

帰宅、夢に追われながら『アダプテーション』DVD。

最小限の言葉でダンボールの壁をつくり、その中で及ぶ自慰行為を見せるという手法は、やはり、成功者の逃避芸でしかなく、共感という意味では、同業者からしか得られないだろう。共感乞食がダンボール内に手を突っ込むと、さっくりとナイフで切られてしまう。

ソダーバーグの『スキゾポリス』と反対にそれを外発的に作ってしまったという点が凄いが、好きか嫌いかというと、好きとは言えない作品だ。