オールイエス

ビデオでようやく『ボウリング・フォー・コロンバイン』を見る。見るのが遅くなったから、見た人のいろいろな意見を聞いていたけど、マイケルムーアの言っていることは、99%以上正しい。これが嫌だった人っていうのは、例えば「残忍なシーンが含まれているテレビゲームの80%は日本製だし・・・」みたいなナレーションと同時に、日本にもファンの多い米国製ゲーム『モータル・コンバット』の映像が流れている場面が象徴するような部分だと思うんだけど、ライフル協会の会長がライフルを高々と掲げるような演出と比べれば、「些細なこと」としてもいいんじゃないだろうか。客との信頼関係というか、とらえる軸の問題だ。

あるいは、あんなのはただの揚げ足取りだと言う人もいるかもしれない。しかし、揚げ足を取って転ばせなければ、当たり前のこととして流れてゆく物事というのは世の中に、社会的にも個人的にも、数多く存在していて、マイケル・ムーアはその中の大きな一つを相手にしているのだ。揚げ足ととられても仕方のないような小さな矛盾が、実は大きな嘘を固める大きな役割を果たしていないと、果たして誰が言い切れるだろうか。そして、嘘をついている側さえ、そのことに気づかなかったとしたら・・・?