雛鍔姉妹

夢中で読んだ志ん朝選集も残すところ二題となり、『雛鍔』の方を読んだ。「お屋敷」に出入りする職人が、そこの「お八歳」の「若様」が穴あき銭を拾ってこれなあにと問い、なんだと思うかと問い返され「おひな様の持つ刀の鍔じゃあないかな」と言うのに感動するところから始まる噺だが、そういえば昨日、下北沢ドラマBook店にて、私が「さ」の棚前で柴崎友香の『青空感傷ツアー』600円を買うか迷っていると、入り口付近にいた十代後半の女の子が大きな声で電話し始めた。

「あ、おねえちゃん? あの、おねえちゃん『女子の生きざま』っていう本読みたいって言ってたじゃん、リリーフランキーの。そう、あるの今。どうする?」

これはヒナツバモノだよ。ジーンときたよ(広末涼子ジーンズ』1998)。このまま良い女子に育ってほしいものである。