自然へ還れ

下北沢を席巻する勢いで、自然食品を主に取り扱う店が乱立している。これは下北沢の、一般的でない一面、地域社会としての下北沢を象徴していると思う。私などは下北沢にもう四年住んでいるが、そのような店には一回しか入ったことがない。ファッションサロンも一件だけあるのだが、そこと同じ回数である。いわゆる若者でなく、地域のおばさんたちと、そのいびり対象である嫁=主婦が、そのような店の主な客なのである。

なぜかというと、それはもう、おもいっきりテレビを見ているからであるが、それとそう相反はしない意味で、彼女らは死んでいるも同然なわけであるから、体が自然に帰りたがっているのではないかと、店を覗いて思った。中にはOLもいて、「じゃあOLは? 彼女たちも死んでるようなもん?」と自問したところ、こじつけなのではないかと自嘲はするが、イエスと帰ってきた。